2005/11/10

交差

今日が明日に変わるころ
行き交う吐息が途切れます
朝陽が尾羽に掛かるころ
胡桃のしずくが凍ります
もしも鈴を落としたら
さらわれた願望を
あなたは探し続けるでしょう
もしも匙を拾うなら
救えるはずの一瞬を
わたしは浜辺で微睡むでしょう。


※これはフィクションです。実在の人物団体場所とは一切関係ありません。

2005/09/20

こわれたよ

かたかたタイプライター
歩いていった
壊れたままで
歩いていった
がたがたタイプライター
キーがこぼれて
水たまりから
空にこぼれた
ときどきタイプライター
パンチ叩いて
カーボン吐くよ
パンチ叩いて
でもでもタイプライター
風に打たれて
泪は涸れたよ
風に打たれて


※これはフィクションです。実在の人物団体場所とは一切関係ありません。

2005/09/18

無盾

光り冷たく無反射を散り散りに
形の取れない闇やみと取り囲み
遠くで海潮が轟くも響きゆかず
虚しく静寂の木霊去る


※これはフィクションです。実在の人物団体場所とは一切関係ありません。

2005/09/08

裏切り

赤い綱渡り師
青い空の片隅に
白い乙女をみとめ
緑の海へまっ逆さま


※これはフィクションです。実在の人物団体場所とは一切関係ありません。

2005/09/05

こすもすのうた

こすもすもくもく
ゆけむりもくもく
おはなむずむず
おなかゆるゆる

よかぜぶるるん
こすもすゆらゆら
あかトタンやね
くずれておちた

いつかわらった
こすもすころころ
みづたまにじにじ
おそらにきえた

ひめくりずんずん
おひさまぐるぐる
なにもないない
こすもすのこった


※これはフィクションです。実在の人物団体場所とは一切関係ありません。

2005/05/18

losted time machine

失われたタイムマシン

未来深度
のかつい
ひび割れ
る視たま
碧い断片
中の氷薄
空気の泡
たれざ封
いくつか
た得りあ
閉じた空

buried sky

殺して枯葉に埋めなさい
赤い落葉で包みなさい
黒く熟れた土になる頃
紅れた空に会うでしょう

clock crack cradle

幻灯

きみの口唇から
苦しみの

ひと粒ひと粒
毀れおち

ぼくの時計の
夜浜の鳴く

虹をひと匙
掬えば甘く

指灯す花火は
とおく遠く

histeria silentica



すすめ すすめ
われら
バターにナイフ
なめらかに

どこまでも
どこまでも
われら
かがみを裂き
まつすぐに

かぎりなく
かぎりなく
われら
氷香炉を仰ぎ
かぐやしく

ひたすらに 
ひたすらに 
われら 
いつか そして

cotton road

綿路を越え



ことこと車に 綿つめて
蝶のねるまに 河をわたるよ
悪シ原を かた紡んで
月かためた 街道にでるよ
とんでごらん 霞がみえる
また あした あおうね

in the storm

嵐の中の


嵐のなかで
もぎ離たれた手の

行方を誰か
教えてください

その温もりさえもが
残酷で

私のすべてを
奪っていく

distress signal

航路標識


確かに存在するならば


偽りではない


グラム量り





模造の心が


ばらばらと


散らばって



どこにある

missing today

はじまりの場所で

終わりと始まりの接続点
ふわふわと廻り
冷たい風の境界の
ほころびを探す
訪れなかった
今日へ向かって




※これはフィクションです。実在の人物団体場所とは一切関係ありません。

occurence such as

このよの出来事

歩いてみよう どこまでか
あいまい橋の まんなかで
目眩にゆれる ふゆの灯が
散歩の合間に 気が付いた
両肩にかかる おもいほし
訪ねてみよう いつまでか




※これはフィクションです。実在の人物団体場所とは一切関係ありません。

tailor who arrived late

遅れてきた仕立屋

ミラーシティにたどり着いたくろねこたちは、お互いの幸運を祈り解散した。しかし彼らの後を密かに追う影があった…




※これはフィクションです。実在の人物団体場所とは一切関係ありません。

sinter on sands

砂岸の華

the pair of offering fire

対の供火

ながい ながい 一日が終わるまで
もう少しだけ おつきあいください

ふたたび 目をつむるまで
お伽噺を きいていたいのです




※これはフィクションです。実在の人物団体場所とは一切関係ありません。

red river home

赫い流れ

地下骸の崩落から脱出したくろねこたち。荒野に標された唯一の道は赫い流れだった。魔女に導かれて過酷な道程を辿るくろねこたちを待ち受けていたものは!!




※これはフィクションです。実在の人物団体場所とは一切関係ありません。

gemini

双耀宮

ひとつがふたつ
ふたつはひとつ
りんご真紅に
頬張つて
両手いつぱい
頬抱いて
おいでおかえり
面出のくに




※これはフィクションです。実在の人物団体場所とは一切関係ありません。

sloughs of underground

地下骸の魂

「わたしは産まれなかったのですか?」
それは奇妙な訪問者から始まった。
ある雑居ビルに探偵事務所だった空き部屋があった。そこへ住み着いた浮浪者のもとに、失踪人調査の依頼者が現れる。差し出された写真に写っていたのは浮浪者にそっくりな男だった。男は失われた過去を追って地下骸へ向かうが. . .




※これはフィクションです。実在の人物団体場所とは一切関係ありません。

awake to ramble on tunnel

醒迷い隧道

惨道降り
轍の先は
往きつ往きつ
醒迷い隧道




※これはフィクションです。実在の人物団体場所とは一切関係ありません。

tear road of buggle tree

喇叭樹の涙道

きっと
きみが砂の上を
体の周りを指でなぞった
その迷路にいつか涙が降るように
靴音が街を目覚めさせれば
めぐり廻ってもとの道
いつも探してる
ずっと




※これはフィクションです。実在の人物団体場所とは一切関係ありません。

who-are-you scattered away

誰何葛は散って

こんにちは
さようなら
はやく速く

消えてしまうまえに

追いかけて

忘れてしまうまえに

掬いあげて

炎に包まれるまえに

速くはやく
さようなら
さようなら




※これはフィクションです。実在の人物団体場所とは一切関係ありません。

wind of night blow far

夜の風 遠く吹く

夜にのり
暗くひろがり全てになる
あたたかく乾いて
夜だけが美しい




※これはフィクションです。実在の人物団体場所とは一切関係ありません。

waiting at cold drop

冷たい零陽に待ってる

待っているのは誰
沈没船は螺旋の下
陽が沈んでから会いにいこう
雨がやんでから会いにいこう
雨はゆっくり降りてくる




※これはフィクションです。実在の人物団体場所とは一切関係ありません。

escape from dusk star

黄昏星を逃れて


黄昏星を後にして
信ずるものなき荊の道
そしてここに
たどり着くのはどこ




※これはフィクションです。実在の人物団体場所とは一切関係ありません。